レンガ積み2

飛騨高山では先日初雪が降りました。いよいよ冬本番を迎えるこの時期は、ぱらぱらと雪が舞う日、スカッと澄んだ空気に包まれる冬晴れの日と、空はさまざまな表情を見せてくれています。

さて、現在のフィン・ユール邸は、

レンガ積み作業が終了し、外壁の塗装まで終了。真っ白の壁が冬に向けて落ち着いた色合いの山の中で輝いています。
写真のような快晴の日には、背景の乗鞍岳の白さと重なり、美しい情景を創り出しています。

今日はここまで行われたレンガ積み作業のご報告第2弾をお送りします。

足場に囲まれたフィン・ユール邸の中では、1週間以上かけてレンガ積み作業が進められました。
レンガ積みについては、「いかにして70年前の工法を再現するのか?」に重点を置き、材料、方法を試行錯誤してきました。
長い検討期間を終え、いよいよ作業開始。決定したルールに従って、職人の方々の手作業で一段一段レンガが積み上がっていきます。

積み上げ方にもいくつか種類があり、フィン・ユール邸に採用されているのはデンマークで見られる「ランナーアシュラ」と呼ばれる方法です。段が変わるごとに、レンガを半分ずらし、次は半分の半分、4分の1ずらして、と4段ごとに繰り返す方法で、一見するとレンガがランダムに並んでいるように見える不思議な積み方です。

レンガの積み方や目地の埋め方などの通常の方法とは異なる手法は、先日来日されたモーエンス氏より指導いただいて再現しています。レンガ積みから漆喰での壁塗りまで、何通りも試作して開発してきました。ということで工法のノウハウはクラブ外秘です。

定規で慎重に測りながら作業を進める職人さんの仕事ぶりを見ていると、その根気に驚かされながらも、それだけ手の掛かったこの建築物を、永く大切に守っていかなければならないという責任感も感じました。
日本では珍しい北欧の伝統的家造りは、貴重な資料としても役に立っていくことを願っています。

さて、外観はほぼ最終形に近づいたフィン・ユール邸ですが、もちろん内装の工事も並行して進んでいます。
この建築は、フィン・ユールが理想とし、アイデアを多く盛り込んだ住空間が高く評価され、今でも名作住宅として保存されています。次回からはいよいよその内装工事の様子をご報告しようと思います。次回もお楽しみに!

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