だいぶ冬らしく冷え込む日が多くなってきた飛騨高山です。
山間部では道路の凍結がちらほら見られるので、スタッドレスタイヤに履き替えた車もよく見かけるようになりました。
高山市に入るためには標高の高い峠を越えなければならないルートがほとんどですので、冬の高山へお越しの際はくれぐれもご注意ください。
さて、建築が進んでいるフィン・ユール邸の現在の外観はこんな感じです。
レンガ積み作業がようやく完了し、土色のどっしりとした外観となっています。
見学に来られた方から、「フィン・ユール邸の外壁は白壁じゃなかった?」とのご感想を多くいただきます。
その通り、白の漆喰の壁です。しかし建設当時の壁を良く見てみると、、、
右側の壁に特に顕著に表れていますが、壁がポコポコしているのが分かりますか?
フィン・ユール邸はレンガ積みの壁に漆喰を塗る工法で建てられています。
レンガに漆喰を塗るのは、その昔デンマークで壁の種類によって住宅に税金をかけていた頃に、レンガ壁を隠す為に生れたという話もある工法です。
無機質なフラットな壁に比べ、独特の人間味ある壁に仕上がっているように感じます。
また、レンガ積みの家は「3匹の子豚」でも登場する通り、耐用年数が長く、ヨーロッパや北米では築200年、300年の一般住宅がそこら中に残り、今なお使い続けられています。
当プロジェクトは、形の再現だけではなく、構造も忠実に再現することで、70年間愛され続けた住宅であるフィン・ユール邸同様に、末永く愛され続ける建造物になると感じています。
それでも、レンガ壁に漆喰を塗るというのはプロの工務店さんにとっても初めての経験です。
まずは、レンガの手積みの風合いをどのように再現するか。
また、どんな種類の漆喰をどのように何回塗るのかを、実際にレンガに塗って検証していきます。試作した壁は9月に来日されたフィン・ユール財団顧問建築士のモーエンス氏にもご確認いただきました。
ひとつひとつ手探りではありますが、着実に進んで来た建築プロジェクトもいよいよ佳境に差し掛かっています。
どんどん変化していくフィン・ユール邸建設レポート、次回は、実際のレンガ積み作業についてご報告予定です。お楽しみに!