朝露や夕立。
すっかり夏らしくなったフィン・ユール邸建設予定地では、蝉の鳴き声や鳥の音が聞こえています。
飛騨高山は避暑地として、これから観光シーズンを迎えます。
高山では、本当に夏と呼べるような気候になるのは7月末の10日間ほど。
それまでは朝晩とても涼しくて本当に過ごしやすいです。
そんな涼しい朝の朝露は、見ているだけでとても心が和みます。
そんな朝露をたっぷり含んだ”苔”は、フィン・ユール邸建設予定地付近にある石にたくさん生えています。
生えているんじゃなかったですね。生して(むして)います。
「転石苔を生さず」
ころころと落ち着かず動き回っていては、苔が生しているような立派な石にはなれないという諺。
石には苔が生えてこそ一人前なんですね。
この諺、アメリカでは「A rolling stone gathers no moss.」と直訳はおなじ諺になりますが、常に新鮮な環境に身を置かないと苔が生えてしまうぞ、という意味で使われるそうです。
一方イギリスや他ヨーロッパの国でも同様の諺があり、日本同様に苔が生えることは良いこととして使われています。
日本やヨーロッパでは苔は良いこと、アメリカでは良くないことと捉えられているようです。
石に苔が生せて、風格が増す。そんな日本人の感性はとても奥深いと感じています。
そんな苔を纏った立派な石がフィン・ユール邸建設予定地にはたくさん点在しています。
これから造成が始まりますが、これらの石も、その他の自然も生かした環境づくりを予定しています。
デンマーク建築が日本の石、草木にどうマッチするか。
さきほどの諺のように、近い感性を持った国とのコラボレーションですから、きっとうまくいくと思います。