9月末頃から、飛騨高山では毎朝のように秋霧がでて、小雨がパラつきます。朝からのどんより空で人の気分を沈めてしまいそうですが、飛騨の人はいちいち気にしません。
午前10時頃には霧がスカッと晴れ、良い天気に変わることをみんな知っているからです。
下の写真は、秋霧に包まれたフィン・ユール邸。
今月半ばよりレンガ積みが始まり、フィン・ユール邸の様相も大分変化してきました。
レンガ積みについてのご報告はまた来週にして、本日は9月末に来日された、フィン・ユール財団顧問建築家のモーエンス・シーヘステッド氏とのフィン・ユール邸建設の打ち合わせの様子をご紹介したいと思います。
建設打ち合わせは主に、フィン・ユール邸の前に設けた屋外デスクにて行われました。
主な打ち合わせ内容は、フィン・ユール邸の内装に配された色合わせや、内装に使われる備品の検討、外壁の工法などさまざまです。担当している建築家の方や工務店の方々の疑問を一つ一つクリアにしていきました。
これらの作業の中で、特に時間を割いたのが、色合わせ作業です。
デンマークに残るフィン・ユール邸の内装の色は、建設後何度か塗り直されていたり、変色していたり、建設当初の色を判断するのが困難な部分もあります。
それらの色は古い写真から推測するか、古くからフィン・ユール邸をご存知のモーエンス氏の判断を取り入れながら決定していきます。
壁となる材料に実際に塗料を塗り、カラーサンプルと見比べて確認している様子です。
フィン・ユール邸に配される色が並び、北欧らしい華やかさが現れました。
これだけの色彩が約70年も前に建設された住宅の中に存在したというのが驚きです。
色合わせの最終ジャッジは、実際に建設中のフィン・ユール邸の中でも行いました。
天井の色であれば、実際に天井部分に色を置いて、窓の外の景色や、入り込む光の量から決定していきました。
単純にデンマークのフィン・ユール邸の天井の色とまったく同色をカラーコードを使って塗ることももちろんできます。
ただ、デンマークと日本では、空の色、草木の色も違ってきます。
内装の色を日本の環境と合わせてみて、初めて本来有るべき色が見えてくる。ただのコピーではなく、フィン・ユールや北欧の人々の考え方を受け継ぎ、妥協のない建設を行うのが、フィン・ユール アート・ミュージアムクラブとフィン・ユール財団の共通の想いです。
さて来週は、現在進行中のレンガ工事についてご報告したいと思います。
どんどん変化していくフィン・ユール邸建設レポート、次回もお楽しみに!